花火が“見える”だけで資産価値に差が出る?
「花火大会が見えるかどうか」が、マンションの資産価値に関係する——。
この一見突飛な話には、実は納得のいく背景があります。
日本では「夏=花火」という文化が根づいており、恋人・家族・友人と過ごす“思い出の風景”として人々の記憶に深く刻まれています。つまり、花火大会は単なるイベントではなく、感情価値(エモーショナルバリュー)を持った非日常体験なのです。
不動産における「ロケーションの価値」は、利便性や交通アクセスだけではなく、「景観」「空気感」「文化的体験」といった要素でも形成されます。そう考えると、“花火が見える”という条件が価格に影響を与えるのは自然なこととも言えます。
具体的な調査結果:5年で17%の差
不動産ビッグデータを活用してコンサルティングを行うスタイルアクト株式会社が2017年に発表した調査では、神宮外苑や隅田川など首都圏の主要な花火大会の2km圏内にある約2,000棟のマンションを対象に、平均年間騰落率を比較しています。
不動産投資の記事やレポートでよく出てくる「騰落率(とうらくりつ)」という言葉。
これは、物件価格がどれだけ上がったか、下がったかを数値で表すものです。
つまり騰落率は資産価値の変動を示す物差しなのです。
年間騰落率って?
今回の記事で紹介した「年間騰落率」とは、
物件が分譲された年から現在までの騰落率を、年数で割ったものです。
たとえば——
- 新築で4,000万円 → 10年後に4,400万円 → 騰落率+10%
- 年間騰落率:10% ÷ 10年 = +1.0%
この「年あたりの変動率」は、株でいう年利回りのような感覚で比較できるため、
物件価値の“成長性”や“安定性”を知るうえで重要な指標とされています。
なぜ花火が見えると騰落率が高くなるの?
本記事で取り上げたように、
神宮外苑花火大会が見える高層マンションは、騰落率が+15.7%という高い水準でした。
これは、
- 見晴らしの良さ(眺望)
- 希少性(花火が見える部屋は限られる)
- 体験価値(毎年のイベントを自宅で楽しめる)
といった要素が“値下がりしにくい物件”を作っているからと考えられます。
騰落率は「出口戦略」に効く
物件をいつか売却する予定があるなら、騰落率はとても大事な指標になります。
価格が落ちづらいエリア・物件を選べば、保有中の安定収入(家賃)+売却時の利益、両方が期待できます。
注目すべきは以下のデータです:
- 「神宮外苑花火大会が見える高層マンション」の平均年間騰落率:+15.7%
- 同エリアの他のマンション平均:+1.5%
さらに、「最も階数の高い物件」と「それ以外の物件」の比較では、騰落率に年3.4%の差が生まれ、それが5年間続くと資産価値に17%もの差がつくという計算になります。
これは単なる眺望の違いではなく、階数の希少性・眺望のプレミア・人気イベントへのアクセス性などが複合的に作用した結果です。
花火の“体験価値”が不動産に与える影響
花火が見えるマンションの魅力は、単に“見える”という一点だけではありません。
そこには、以下のような付加価値が隠れています。
- 展望ラウンジや屋上開放など、共用部のイベント性
- Airbnbなどで短期貸しする際の集客力
- 「我が家で見られる」という非日常性の内包
これは「海が見える家」や「富士山ビュー」などと同じく、景観の価値が価格に反映される典型例です。
近年では、体験経済(エクスペリエンス・エコノミー)の視点からも、「思い出が作れる不動産」への注目が高まっています。
投資としてはもちろん、自宅用物件においても“満足度の高い資産”として機能するわけです。

僕がこの調査を知ったとき、正直「面白すぎる!」って思いました。
花火って、ほんの1〜2時間のイベントだけど、そこに集まる笑顔や感動って、本当に特別ですよね。
僕もイベント業をしている中で、人が集まる“理由”って、利益以上に「心が動く瞬間」だと実感してます。
そう考えると、「心が動く物件」こそが価値の下がりにくい投資先になるって、めちゃくちゃ納得です。
投資家が知っておきたい「花火×不動産」のポイント
花火が見えるマンションは魅力的ですが、投資として成功するためにはいくつか押さえるべきポイントがあります。
立地選定のポイント
- イベント開催地の“正面方向”に位置するかをチェック
- 騒音や混雑など、日常の住み心地にも配慮が必要
- 周辺施設(駅、商業施設、学校など)のバランスを確認

僕自身、夏のイベントで人が集まる場所って“エネルギー”があると思うんです。
不動産って「建物の価値」も大事だけど、「その街が持ってる雰囲気」って見逃せない。
花火大会がある街って、なんかワクワクするじゃないですか。
それが入居者にも伝わって、“住みたい気持ち”が強まる=空室になりにくいんじゃないかなって思います。
まとめ:空に咲く光が、資産になる時代へ
かつては「家=ハコ」だった時代。
いまは「家=体験の舞台」「人生を演出する装置」として、資産価値が見直されています。
「花火が見える家」は、その最たる象徴。
記憶に残る体験が、資産価値を守り、未来の選択肢を広げてくれるのです。
今年の夏、あなたも“空に咲く資産”を探してみませんか?
それでは最後まで読んでいただきましてありがとうございました!